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〜青潟大学附属シリーズ・二次創作小説〜
芙蓉 雅作
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──あたし今、男に抱きしめられてる。でも相手は南蛮漬けの難波っ!
「ちょっと、嫌だったら!」
両手で押しのけようとするけど、あいつはびくともしない。こいつってこんな、力強かったっけ? 浴衣の前はだけさせたら、骨と皮だけみたいだったのに。
「いいから、大人しくしろよ。べつに俺は女同士が悪いとか、そんなこと言ってるんじゃねえ。ただおまえの場合、過去が過去だ。一度、本当に好きになってくれる奴とつきあってから、女に走ったほうがよくねえかってそう言ってるだけだ。俺の言ってること、おかしいか?」
べつに、おかしくはない。けど。
「だからって、なんで相手があんたなのよっ! あたしだって、相手が南雲くんとかだったら……」
ぎゅっと、背中にまわされた手が強められる。
「あいつのことはあきらめろ。南雲には愛しのハニーの奈良岡さんがいる。おまえに勝ち目はない。そうだろ?」
「そうだろって……何よ。ようするに、あたしにはあの過去があるから、南雲くんには相応しくないって言いたいわけ? 第一、あんたちょっと頭おかしいんじゃないの。 人の過去色々ほじくり返して嗅ぎまわって……その上で好きだなんて。そんなの信じろっていうほうが無理よ」
「それは逆だろ? だからこそ好きだって言ってるんだから」
少しだけ、腕の力が弱まった。あたしはここぞと思い、思い切りあいつのことを突き放した。一瞬よろめいたあいつの頬に、ぴしゃりと平手打ちを食らわせてやる。
「馬鹿にしないでよっ! あんたが言ってるのはつまり、こういうことでしょ? おまえの過去のことを込みでつきあってやるなんていう奇特な男は俺くらいのもんだとか、そんなふうに思ってるんでしょ!? サイッテーよ、あんたなんか! 大っ嫌い!」
あたしは視聴覚室の重い扉を押し開けると、一目散に駆けだした。廊下を走ってる途中で泣いてることに気づいたけど、なぜ涙がでるのか、自分でもさっぱりわからなかった。