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〜青潟大学附属シリーズ・二次創作小説〜
芙蓉 雅作
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難波くんと交互にデートを始めて約一ヵ月半。ゆいちゃんの反応はいまひとつ鈍いというか、どっちつかずだった。最初は結果がドローもありってことだったけど、実はそれ、内心自信があったからそう言ったのよね。でもゆいちゃんったら、時々目を輝かせそうなくらい嬉しそうな顔して、難波くんの話とかするからなあ。『やっぱりわたし、ヘテロみたい』とか言われて、このまま振られちゃうのかしら? 「よ、近江ちゃん。なんか近ごろ元気ないような気がするのは、俺の気のせいっスか?」 「天羽くん」寒がりのあたしは、廊下にあるスチームの台の上に腰かけて、ぼんやりしていたところだった。評議委員会が始まるまでには、まだ間がある。「なんかさ、この季節になると時々むなしくなっちゃうのよね。好きな人がいる時は特に。べつにキリスト教徒ってわけでもないのに、おかしいけど」 「そうだなあ。クリスマスにシングルっていうのは、なんとはなしにちょびっと寂しいかもな。愛しのゆい姫とは今、どうなってるわけ?」 「それがねえ……」と、あたしは深い溜息を着いた。「クリスマス、難波くんと三人でパーティするのはどう? なんて言われちゃったわよ。なんだったら清坂さんとか立村くんとか、あるいは評議のみんなも呼んで、中学最後の楽しいクリスマスにしようって……天羽くん、どう思う?」 「なんじゃ、そりゃ」大笑いしたいのを天羽くんはこらえているみたいだった。「まあ、企画としては悪くねえと思うけど……でもどうしようかなあ。俺、クリスマスに近江ちゃんのこと、誘いたい場所があるんだけど」 「駄目よ、あたし。今半分くらいハートブレイク入ってるから。どんな場所に誘われたって、この沈んだ気持ちは晴れやしないわ」  ははあ、と乙女な溜息を着いているあたしのことを無視し、天羽くんはポケットの中からチケットみたいなものを二枚、ぴらりとあたしの目の前にかざした。  ──桂歌丸、独演会。 「天羽くん、それ……もしかして」 「へへへ。しかもS席で、師匠の真ん前。どうっスか、近江ちゃん。この不肖天羽めと、クリスマスの夜、一緒にデートしやせんか?」 「んもう。歌丸師匠が相手じゃ、断れないじゃない。あのじいさん、いつぽっくりあの世にいくかもわからないんだから」  笑点の音楽を口笛で吹きはじめた天羽くんのことを、あたしは男みたいにばしっ!と叩いた。もしかしたらわたしも、ゆいちゃんのことは言えないかもしれない。だって気の合う男友達って、とっても貴重な存在だもの。


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