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〜青潟大学附属シリーズ・二次創作小説〜
芙蓉 雅作
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 作戦は大成功。まさか鼻血まで垂らすとは思ってなかったけど……そのせいでますます霧島さんと仲良くなれてよかった。馬鹿とはさみは使いようって言うけど、ここまでうまくいくとは思わなかった。
 本当はわたし、ほんの少し前まで霧島さんのことなんて、なんとも思ってなかったのよね。でも修学旅行の時以来──D組の清坂さんより、別の意味で彼女のことが気になりだした。
(そうよ、男なんてみんな馬鹿ばっかりだし、霧島さんもそのことに気づいてるんなら、宗旨変えすべきよ)
 霧島さんに対するわたしの気持ちはただひとつ。できることなら慰めてあげたい、ということだけだった。
 もちろんわたしも、本格的な百合の世界の体験者、なんていうわけじゃないけど──相手によくしてあげたいっていう気持ちさえあったら、どんなことだってできると思うの。
 玄関のすのこの上で靴を履き替えようとした時、ハラリと一枚の封筒が中空に舞った。
(まさか、男からじゃないわよね?)
 もしそうだったらすぐに破って捨てようと思った。ところがなんと、その手紙はなんとも古風なことに、果たし状なるものだった。

<果たし状>
 今日の放課後、裏の校庭へ来られたし。
 一番のっぽの杉の木のところ。
シャーロキアン難波より

 女の下着姿くらいで鼻血たらしていた奴が、何を言うかって感じよね。まあ、いいわ。この寒い季節に裏庭なんかに呼ぶな、とも思うけど。

「で、一体なんの用?」
 寒がりのあたしは、パーカーを首のあたりでぎゅっとかき合わせた。十一月上旬のこの季節。時計が四時ともなると、初冬の風が身にしみる。
「話っていうのは、他でもない。昨日の放課後のことだ」
 びしっ!と指を差しながら言うシャーロキアン難波。今さら何を格好つけてるのやらって感じだ。
「一応言っとくけど、俺は近江の下着姿を見て鼻血出したんじゃねえからな。ただ、ずっと掃除用具入れの中に隠れてたから、ちょっと換気悪くて上せたってだけだ。そこのところ、誤解するなよ」
「もしかして、そんなクソくだらないことのために、この寒い中あたしを呼び出したわけ?」
「いや、そうじゃねえ」
 やたらとさっきから、きょろきょろとあたりを振り返る難波。ははーん。さては霧島さんも同時にここへ呼んで、あたしの正体ばらそうっていう腹なのかしら?
「ようするに、近江の言う宣戦布告っていうのはこういうことだろ? 俺があいつを落とすか、それとも近江が落とすのか……だったらどのへんでゲームオーバーになるのか、最初から決めておこうじゃねえか」
「つまり、どういうこと?」
「俺と近江がこれから同時に告白して、あいつに選んでもらうっていうことだよ」


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